先輩初期臨床研修医インタビュー

地域に根ざした医療を提供し、
地域の皆さんに安心して暮らしていただけるよう、
医療の面からサポートしていきたい

木村 遊馬(2023〜2024年度初期臨床研修医)

初期臨床研修医は、上級医の指導のもと日々診療に取り組みながら医師としての基礎を築いています。 研修医の存在は上級医の指導力向上に加え病院全体に活気を与えてくれています。 今回はそんな当院で働いている、研修2年目の木村遊馬先生にお話を伺いました。

研修医の個性をしっかりと把握し、一人ひとりに合わせた指導をしてくれる

当院(総合犬山中央病院)を研修先に選んだ理由を教えてください

研修先を選ぶ際に、私は自分の将来のビジョンを深く考えました。地域医療に特に興味があり、人々と深く関わり合う医療を実践したいと思っていました。当院はその希望を叶えるのに最適な場所だと感じました。また、当院は中核病院としての機能を持ちつつ、研修医が少ないため、研修医一人ひとりに対する教育が手厚いと聞きました。そのため、実際に手技を豊富に経験できる環境が整っていることも魅力的でした。実際、手技を積極的に任せてもらえる機会が多く、同期が少ないことでのびのびと学ぶことができています。

研修医の皆さんとの関係性はどうですか

本当に良好な関係を築けています。少人数ということもあり、同期との距離感が近く、一人ひとりとしっかり向き合える環境です。お互いに助け合いながら、必要な時にはしっかりとコミュニケーションを取ることができています。同期が少ないということは、必要以上に親しくなる必要もありませんし、適度な距離感で互いを尊重しあっています。例えば、ある手技を学ぶ際には、得意な同期からアドバイスをもらったり、一緒に練習することでお互いの成長を促しています。

指導医の方々とはどのような距離感で接していますか

指導医の先生方は研修医の個性をしっかりと把握し、一人ひとりに合わせた指導を行ってくれます。適切な距離感で接しながらも、私たちの成長を見守り、必要な時には親身になって指導してくれるので、とても心強いです。例えば、苦手な手技がある時には、私のペースに合わせて何度も練習に付き合ってくださったり、疑問がある時にはすぐに相談できる環境が整っているのがありがたいです。さらに、定期的なフィードバックを通じて、自分の成長や改善点を確認することができ、それが次のステップへのモチベーションとなっています。

研修プログラムの柔軟性についてどう感じていますか

プログラムの柔軟性は非常に高いです。研修内容やスケジュールの調整が可能で、自分の興味や学びたいことに応じて柔軟に対応してもらえるのが大きなメリットです。例えば、ある科で特に学びたいことがあれば、その要望を伝えることでプログラムを調整してもらえます。また、新しいことに挑戦する意欲を持っている人には、それに応じた機会を与えてくれるので、非常に満足しています。さらに、興味のある分野での外部研修や学会参加の際には、病院からのサポートも受けられるため、自己成長を図る上で非常に助かっています。

研修プログラムの柔軟性はどうでしたか

プログラムの柔軟性に関しては凄く高かったと思います。直前に変更したい場合でも、要望をしっかりと伝えることでプログラムの変更をして頂けました。プログラムの柔軟性は非常に高いので、自分の学びたいことを積極的に学ぶことができる環境でした。また、やりたいこと等があればそれを上級医に伝えることで、挑戦できる機会を設けてくれるため、自身の成長に大きく繋がりました。学会の参加も前向きに捉えて下さり、病院側からのサポートもしっかりある為その点も凄く助かっていましたね。

病院全体の雰囲気について教えてください

病院の雰囲気はとても温かく、アットホームな感じがします。医師や看護師の皆さんは本当に優しい方が多くて、ドライな感じの人はいません。特に看護師さんたちは、患者さんのことを第一に考えて行動していると感じます。例えば、ある患者さんが不安そうにしている時に、看護師さんが時間をかけて話を聞いている姿を見て、私自身も学ぶことが多いです。患者さんとのコミュニケーションを大切にしている姿勢が、病院全体の雰囲気をより良いものにしていると感じています。また、職場全体でのコミュニケーションも活発で、医療チームとしての連携がしっかり取れているのが印象的です。

総合犬山中央病院の魅力は

そうですね、建物自体は少し古いですが、その分、歴史を感じることができるというのもまた魅力の一つかもしれません。(笑)ただ、内科や集中治療に関しては、やや弱いところがあるかなと感じることもあります。しかし、その分外部の勉強会や講習会に参加する際には、病院から経済的なサポートがあるので非常に助かっています。新しい知識やスキルを外部で学び、それを持ち帰って実践できる環境が整っているのは素晴らしいことです。また、病院内でのイベントや交流会が定期的に開催され、職員同士の親睦を深める機会が多いのも、働きやすさに繋がっている魅力だと感じます。

休日はどのように過ごしていますか

休日はリフレッシュのために、犬山や名古屋で過ごすことが多いです。観光を楽しんだり、ショッピングをしたりしてリフレッシュしています。犬山の城下町や名古屋の商店街をぶらぶら歩くのが好きです。特に犬山城は歴史的な雰囲気が魅力で、何度訪れても新しい発見があります。また、車は必須アイテムで、移動手段としてかなり重宝しています。郊外の温泉地に出かけたり、自然豊かな場所でのんびり過ごすことも心のリフレッシュになります。仕事とプライベートをしっかり分けることで、オンとオフを明確にしてストレスを解消しています。

木村研修医患者さんのリハビリにも積極的に参加
木村研修医空き時間でも絶えず勉強を欠かさない



患者さんとの深い信頼関係や、患者さんの生活に寄り添う姿勢に感銘

学生時代の性格や医師を目指した理由について教えてください

小さい頃は非常に活発で、器械体操をしていたんです。体を動かすことが好きだったので、毎日が楽しかったですね。ただ、怪我をすることも多く、その際に医者に良くしてもらった記憶はあまりないんです。しかし、父が医師で、その背中を見て育ったことで、自然と医療の道に興味を持ちました。特に訪問診療に興味を持ち、総合診療を志すようになりました。患者さんと深く関わり合って、その人の生活を支える医療に魅力を感じています。医師としての責任感を持ち、患者さんの生活をより良くしたいという思いが、医師を目指す大きな動機となりました。

訪問診療に興味を持たれたきっかけは何ですか

ある時、訪問診療に携わっている医師の話を聞く機会がありました。その医師が語る患者さんとの深い信頼関係や、患者さんの生活に寄り添う姿勢に感銘を受けました。病院での医師の仕事とはやっぱり全然違って、病気を治すっていうよりは、その人の生活を支えるっていうところがすごい面白いなって思って。非常に人間らしい医療だと感じたんです。特に高齢の患者さんとの関わりにおいて、その人の生活環境や家族の支えの中で、どのように医療を提供するかという点に興味を持ちました。自分もそのような医師になりたいと強く思い、訪問診療に興味を持つようになりました。患者さんにとって最良の環境で医療を提供することの重要性を感じています。

印象に残っているエピソードはありますか

末期がん患者さんの訪問診療に携わったことですかね。ある程度経過が早くてあとは在宅で、最期は看取りに向かってどうしていきましょうっていう状態の人だったんですが、本当にたくさん良く喋ってくださって、こういう想いがあるんだとか、こういうことをしたいんだとか。じゃあこれはできるんだろうとか。という風に目標を立てたりしながら頑張ってやっていく中で、すごくたくさん感謝もしてくれてですね。始めた時はすごい痛みもあったとは思うんですけど、すごいですね、ベッドで寝たきりで動けなかったんですが家の中だけですけど、少し動けるようになって。また、ちょっと笑顔で喋れるようになって。その患者さんの最期に向かう人生の支えになれたかなっていうのは、記憶に新しい心に残っているエピソードですかね。

将来の計画についてもぜひ教えてください

はい、まずは総合診療科の専門医を目指してしっかり経験を積みたいと考えています。その後、訪問診療を行う計画があります。家庭医の専門医も取得して、地域に根ざした医療を提供し、必要とされる地域で診療をしたいと考えています。患者さん一人ひとりに合ったケアを提供し、信頼される医師を目指して続けていきたいです。さらに、地域の医療ネットワークを構築し、他の医療機関や福祉施設とも連携しながら、より包括的な医療サービスを提供したいと考えています。地域の皆さんに安心して暮らしていただけるよう、医療の面からサポートしていくことが私の目標です。

患者さんをみる目は常に真剣



入職者へのメッセージ

当院は比較的自由な環境なので、自ら積極的に行動し、学びたいことをしっかりアピールできる人が向いていると思います。自分の目標をしっかり持ち、それに向かって積極的に動ける人には、多くの機会が与えられるはずです。自分の意見をしっかりと持ち、それを伝えることができる人には、より多くの挑戦の場が提供されます。また、当院ではチーム医療を大切にしているので、協調性を持ちつつ、自分の意見をしっかりと主張できることが重要です。成長のための環境は整っているので、主体的に学ぶ姿勢が求められます。