2025.01.14活動・研究 NEW
【活動レポート】連携医療機関である結ファミリークリニックを訪問しました【1月10日(金)】
2025年1月10日(金)、当院の泌尿器科池上医師と看護師が、連携医療機関である結ファミリークリニックを訪問しました。医療現場では、特に排尿トラブルやおむつ使用が必要な患者の退院後ケアが課題となっており、フォロー不足による再入院や救急搬送が少なくありません。この問題に対応するため、総合犬山中央病院の池上医師と結ファミリークリニックの鈴木院長が、退院後ケアの課題や地域医療連携の重要性について意見交換を行いました。
地域連携で支える退院後の医療 ~患者の生活を見据えた新たな取り組み~
池上医師は、退院後の患者が直面する問題について、「例えば、カテーテル(バルーン)を外して退院した患者さんが、排尿トラブルで再び救急車で運ばれるケースがあります。こういった事態を減らすために、退院後もおむつ相談や訪問診療にスムーズに繋げられる仕組みが必要だと考えています」と述べました。医療現場での限界を感じながらも、地域の訪問診療クリニックとの連携を強化することで、退院後の患者を支える体制を模索している旨を伝えました。
一方、結ファミリークリニックの鈴木院長は、「退院後の患者さんが自宅で尊厳ある生活を送れるような支援がしたいです。しかし、院内で窓口を作り連携を進めるには、まだ課題が多いのも事実です」と語りました。さらに「おむつでの生活が続いたとしても、患者さんが素晴らしい一生を送れるようなビジョンを共有することが大切です」と、地域医療の充実が患者とその家族の生活の質(QOL)向上に繋がることを強調しました。
また、池上先生は日帰り手術の導入についても触れ、「前立腺肥大症の患者さんに対して、朝手術を受けてその日のうちに退院できる体制を整えています」と説明しました。これにより患者の身体的・経済的負担を軽減し、再入院のリスクを減らす取り組みが進められています。さらに「退院後に再入院やトラブルを防ぐためには、地域全体でのフォローアップ体制が不可欠です」と述べ、地域医療の連携強化の重要性を改めて訴えました。
こうした取り組みは、患者の退院後の生活を見据えた「トータルケア」の実現を目指すものです。医療機関だけでなく、訪問診療クリニックや地域のケア施設が協力することで、患者が自宅や地域社会で安心して生活を続けられるような環境を整えることができます。
地域連携による包括的なケアは、患者の生活の質向上だけでなく、医療の効率化や地域全体の医療資源の有効活用にも繋がるものです。池上先生と鈴木院長の取り組みは、地域医療の未来を切り拓く重要な一歩と言えるでしょう。
結ファミリークリニックの紹介
結ファミリークリニックは、地域医療に根ざした温かい医療を提供するクリニックです。在宅医療を中心に、訪問診療や訪問看護を通じて、患者さんが住み慣れた環境で安心して生活を続けられるようサポートしています。医師、看護師、ケアマネジャーなど多職種が連携し、一人ひとりの患者さんやご家族の声に寄り添ったきめ細やかなケアを実践。地域の皆さまとともに「その人らしさ」を大切にした医療を目指しています。
詳しくは当院HP医療連携機関をご覧ください。
https://www.inuyamachuohospital.or.jp/cooperation/